ルネサンス
初めて行く国であれば、不安とわくわくで入り混じるけど、
今回のイタリア、実は2005年12月にほぼ同じコースを旅行しました。
でもその中で今回行かない場所、ピサとアッシジ。
そして追加されている場所、マテーラ、アルベロベッロ、アマルフィ、カプリ島。
5大都市であるミラノ、ヴェニス、フィレンツェ、ナポリ、ローマ。
これはイタリアならば必ず行く場所で、そこの小都市が入るコースが大半。
でもロマネスク様式の代表ともいえるピサが外れるのは残念。
更に当時は何でもないと思っていたアッシジ。
彼の名前はジョット・ディ・ボンドーネ。
イタリアの画家であり建築家で、ルネサンス前に驚くべき作品を残した人物です。
ルネサンスは“古代の文化を復興しようという運動または革命”で
当時、有名だったのはレオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ。
でもジョットは上記3人よりも上をいく『ルネサンスの先駆者』の1人。
それほど有名な彼の(ものであろうと言われる)作品がアッシジにあるんです。
ルネサンス以前の絵画は大半が宗教画。
宗教に頼っていた時代で神に祈ることで生活をしていた時代。
“人間”が絵に登場するなんて有り得なかった世界です。
3人の人物が描いたそれぞれの『聖母子像』
右がジョット作、左が彼の師チマブーエ作。
中央がチマブーエと共に活躍したドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャ作。
左の作品から右の作品に目を移していく過程で、
徐々に絵に空間が出来、線や色が柔らかく明るくなっていくのが分かります。
当時の絵画と言えば神や聖人、天使だったため、
わざと人間らしさを削ぎ落とし、無表情に描かなければいけなかったし、
イエスと聖母マリアに至っては目線も合わせないよう、慎重に描かれていました。
しかし古代ギリシア、ローマの遺跡が発見され、
当時の人々の文化、歴史が庶民にも徐々に明らかになり、
宗教だけに頼っていた時代が少しずつ、でも確実に崩れていったのです。
3人はビザンティン美術の中で生きながらルネサンスの橋渡しをし、
ダ・ヴィンチ等に多くの影響を与えた人物。
絵の善し悪しが分からなくても、絵から歴史が分かる。
当時は気付かなかった点も、今回の添乗なら気付ける点が増えるはず。
そう思うと、今回、新たな気持ちで行くイタリアが楽しみです。